MIDORI HARIMA
鏡と窓と足場
絵画と写真がその起源に窓や鏡を持つのに対し、私は版(画)を、それに足をかけて移動していけるような、一時的に固定され、やがて解体される仮設の足場のようなものとして捉えている。分けられ、断絶したように見える其々の空間を行き来できるように繋ぐ足場として、版が架橋されることによって、そこに移動という運動が生まれる。版という足場は、物質化し固定化したイメージと視点に、現象化と流動化を促し、絶対化されたポジションを相対化する契機となる。
そのように、固定されたように見えるシステムを揺さぶる手段として、版を再定義したい。また、版を足場に、水墨画などで過去に実現されていた多視点的な絵画空間を再訪し、身体と視点とが実空間を水平移動するインスタレーションの手法を用いて、歩く様に刻一刻とランダムに移り変わる、複数的で偶有性に開かれた動的な主体のあり方を今ここに再び生じさせることで、遠近法的消失点を持つ絵画空間やレンズを通した光学的な、近年ではコンピューターを通したCG的なイメージメイキングによって、根底から作り替えられてしまった私たちの目と、そこに連なるバーチャルな身体の、実際の身体の移動を通した、多視点への書き換えを行いたい。
播磨みどり 2025年2月15日 藤沢市にて
絵画と写真がその起源に窓や鏡を持つのに対し、私は版(画)を、それに足をかけて移動していけるような、一時的に固定され、やがて解体される仮設の足場のようなものとして捉えている。分けられ、断絶したように見える其々の空間を行き来できるように繋ぐ足場として、版が架橋されることによって、そこに移動という運動が生まれる。版という足場は、物質化し固定化したイメージと視点に、現象化と流動化を促し、絶対化されたポジションを相対化する契機となる。
そのように、固定されたように見えるシステムを揺さぶる手段として、版を再定義したい。また、版を足場に、水墨画などで過去に実現されていた多視点的な絵画空間を再訪し、身体と視点とが実空間を水平移動するインスタレーションの手法を用いて、歩く様に刻一刻とランダムに移り変わる、複数的で偶有性に開かれた動的な主体のあり方を今ここに再び生じさせることで、遠近法的消失点を持つ絵画空間やレンズを通した光学的な、近年ではコンピューターを通したCG的なイメージメイキングによって、根底から作り替えられてしまった私たちの目と、そこに連なるバーチャルな身体の、実際の身体の移動を通した、多視点への書き換えを行いたい。
播磨みどり 2025年2月15日 藤沢市にて
ARTIST STATEMENT (2019)
TEXT ”鏡と窓と足場”(2025)
TEXT ”Prints: A place for reality and fiction/印刷:リアリティとフィクションの場所”(2023)
TEXT ”裏側からの越境”展に寄せて(2022)
TEXT “300日画廊と佐藤さんのこと” 300days Gallery and Sato Yoichi (2022)
REVIEW “ポリネーター展に見る「美術のおもしろさ」について” (2021)
TEXT “郊外の美術原理主義国家の法と倫理” (2020)
EXHIBITION STATEMENT ”Crossing The Boundary From Behind" 裏側からの越境 (2019)
TEXT “ゴミをめぐる考察” (2017)
TEXT "Democracy Demonstrates - What I have consumed in 90 days in Korea" Democracy Demonstrates - 90日間韓国で私は何を消費したか (2015)
BLOG "한국 길가 피크닉 - Roadside Picnic in Korea” 路傍のピクニック 韓国 (2015)
TEXT "The Roadside Picnic Chapter two" 路傍のピクニック第二章 (2014)
ARTIST STATEMENT (2011)
ARTIST STATEMENT (2008)
TEXT "Story Spoken by Outline" 輪郭で語られる物語 (2003)
TEXT "Clean Castration" 清潔な去勢 (2001)
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