MIDORI HARIMA










"This Is a Mirror, after Camnitzer"
2022年
15分8秒
2チャンネルデジタルビデオインスタレーション 
プロジェクター、スクリーン、スピーカー
 
Two-channel video installation
00:15:08
projectors, screens, speakers
Photo by: Junji Kumamo/ Nick McDonell


本作は、「現代における版画の再定義」という自身の近年の課題の元に制作された。紙はまた、身体のメタファーでもあり、AI化や環境問題が顕在化する現代において、紙の存在を身体に重ね、それがいずれ無くなることを想定した思考実験に基づいて構想された。本作で導入されているのは、私自身の身体であり、制作に加え、それ以外の労働などによっても構成されているその身体知に基づいて繰り返される「アクション」によって、版画を刷る行為のみが抽出され、記録されている。イメージを紙に定着させないことは、私自身の「経験」や「身体」「プロセス」の対象化への抵抗でもある。

刷られているイメージは、スタジオとして間借りしている、大工さんの作業場に隣接する、窓から見える森の風景をシルクスクリーンに写真製版したもので、それらを実際の窓にはめ込み、版に絵の具をのせ、シルクスクリーンを刷る行為を、版の裏側からデジタルカメラで、後ろ側からは遠巻きに8ミリフィルムカメラで同時に撮影している。二つのビデオは、シルクスクリーンを擦る音を初め、鳥の声や風の音、工房の作業音、上空を通る自衛隊の飛行機の音や近くを通る車の音などのスタジオの環境音によって同期されており、互いに明滅しながら進んでいく、2チャンネルのビデオインスタレーションになっている。

本作は、版画家からコンセプチュアルアートへと転身したLuis Camnitzer氏の、初めのコンセプチュアルアートの作品である”This is a Mirror, You are a Written Sentence”(1968)を下敷きに作られており、直接的に版画を扱ってこなかった自分の、ほぼ初めての版画作品と呼べるものでもあり、その意味でCamnitzer氏の転身を、逆にトレースしたものでもある。


EXHIBITIONS


”裏側からの越境/Crossing the Boundary From Behind” at Fujisawa City Art Space, Oct 8 ~ Dec 18, 2022


“Recurrent” at Ulteiror Gallery, October 28—December 16, 2022 ( version#1 for “Recurrent”)



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